平成11年5月21日

教職員の在り方等に関する調査協力者会様
    座 長  蓮 見  音 彦 様

全国公立小中学校事務職員研究会
会 長  加 藤  善 久


教職員配置及び定数の在り方について


 学校事務職員は,校長の監督を受けて,総務(組織目標,組織運営,組織管理),庶務(人事記録,福利厚生,勤務管理),財務(予算,補助金,学校徴収金),管財・経理(経理,物品,施設給与,旅費)情報(行政情報,教育情報,外部情報),渉外(地域,行政機関,支援団体,その他)等の事務をつかさどる職員であり,学校の運営上重要な役割を果たしています。

 先の中教審答申においても,学校の裁量権の拡大や学校の自主性・自律性の確立が強く指摘されました。学校運営全体を視野に入れた総合的な事務処理の推進や校長・教頭に学校事務を含めた総合的なマネジメント能力を期待しており,学校事務職員についても学校運営への積極的参画や学校予算の在り方の見直し,学校の事務・業務の効率化や共同実施について事務職員の活用を期待した答申が出されました。

 教育委員会の事務を精査し,教育委員会と学校の事務を再配分し,学校が自主的・自立的に教育活動を行っていくためには,学校事務を円滑に行う制度の確立,人的配置が益々重要となります。そのためには,事務職員の配置と活用がより一層不可欠な要素となることは言うまでもありません。

 私ども全事研に参加する事務職員は,各学校において児童・生徒の教育活動を支える事務機能の充実・整備・拡充のため,学校事務を担う専門職員としての自負を持ち努力をしているところであります .

1.先ずは事務職員の全校配置を

 何より大前提として,規模の大小に関わらず,学校があるところ常に事務職員が存在するということ。そしてそこには,学校事務を担う事務職員が配置される必要があるということ。このことが学校事務及び学校事務職員制度の基盤として欠かせない私どもの理念であります。

 児童生徒数の減に伴う学級減,あるいはクラスサイズ縮小の国民的ニーズと相まって,学級編制の弾力的運用の動きは,学級数で学校の規模の大小が測れなくなる状況を生み出します。現在の「定数標準法」では,定数算定の基礎が学級数となっておりますが,今後はその物差しが当てはまらない学級編制が,地方自治体ごとに行われるであろうことは必至です。

 従って,定数の算定基礎を学級数の多少に置くことは不都合が生じてきます。現在でも,40人学級で学級編制されていますが,児童80人では2クラス編制ですが,81人では3クラス編制で1クラス27人編制という現象が起きています。

 現在の「定数標準法」では事務職員定数の算定の仕方は次のようになっています。

  (1)4学級以上の小学校及び中学校の数の合計に1を乗じた数。
  (2)3学級の小学校及び中学校の数の合計に4分の3を乗じた数。
  (3)27学級以上の小学校の数に1を乗じて得た数と21学級以上の中学校の数に1を乗じて得た数との合計数。
  (4)要保護等児童生徒数100人以上かつ25%の学校の合計に1を乗じて得た数。

 (1)〜(3)は学級数を算定基礎としています。(4)は100人以上かつ25%以上という両方の条件が必要な加配条件となっています。また,学校教育法第28条但し書き条項の存在が,各県段階での事務職員の全校配置を阻害してきた要因となっている現状があります。

 これらのことを考え合わせると,先ずは学校を単位として事務職員の定数及び配置を最低限保証する仕組みを確立していただくことが私どもの最大の願いであります。


2.標準学級規模以上の学校に事務職員の複数配置を

 「子どもの数の減少により小規模校化が進行」しており,「その一方で『 総合的な学習の時間』の導入や選択教科の拡大,あるいは学校予算を各学校の要求や実態に応じて構成するなど,学校裁量権限の拡大に応じて学校の責任において判断し対応することが必要となる事務・業務が今後増えていくことが予想」されます。授業形態・学習集団の編制の仕方に応じた予算編制や執行,教育委員会との連絡調整など,処理する事務も増大します。調和のとれた学校運営組織を整えて,適正・厳正・効率的に事務を執行・処理し,円滑な学校経営を図るにはいわゆる標準学校規模の学校を一つの物差しとすることが考えられます。小学校18学級・中学校15学級規模以上の学校に事務職員を2名配置とし,小学校27学級・中学校21学級以上(小学校約1.000人,中学校役 700人規模)の学校には更に事務職員を配置し高校並の3〜4名の事務職員を配置し,学校において事務処理が完結できる事務組織とするなどの方策が必要と考えます。


3.児童生徒数を定数算定基礎に

 学級数で定数を算定することは不都合な面があります。30人学級の動きもありますが,クラスサイズを下げても学級という単位が定数の基礎であれば不都合な面は変わりありません。学級担任に,上限30人の学級担任と15人ないし16人を受け持つ担任の矛盾は解消できません。

 このことを解消・是正するためには,(1)定数の算定基礎である学級という物差しから児童生徒数を物差しとした算定基礎を設定する必要があります。(2)更に,定数と配置を別のものとして捉える必要が出てきます。人事上の工夫が要求されますので,県段階でのルールづくりが必要です。(3)現在実施されているT・Tがそうですが,学級数を算定基礎としない定数の算定が求められています。「加えて配置する」という加配制度の充実が有効と考えます。また,(4)異校種間交流の緩和・弾力化が必要と考えます。学校間連携・学校の事務や業務の共同実施について「兼務」発令をするなど,各県の工夫やルールづくりが必要です。

 上記(1)〜(4)を,国の責任・都道府県の裁量の範囲を明確にし制度化することで,多様な学習集団・学習形態の展開も可能となると考えます。


4.学校事務の「T・T」=新たな加配制度を

 児童生徒への授業など直接教育活動の充実のためには,児童生徒数に応じた教職員の算定基礎が必要であると述べました。

 私ども事務職員から見ますと,教員の多様な任用形態はあってしかるべきと考えますが,学校事務においても多様な学習集団・学習形態の展開に応じて,円滑な教育活動実施のために学校間・地域社会・公的機関との調整などコーディネーターとしての役割も重要な仕事となってきます。中教審答申で言われている「学校の事務・業務の効率化」「学校の事務・業務の共同実施」は,重要な課題として受け止めております。「特色ある学校づくり」「総合的な学習の時間」などの課題と併せ多様な学習集団・学習形態の展開に対応するためにも,地域に応じた多様な学校間連携,学校の事務・業務の共同実施の在り方が様々なかたちで行われていくだろうと思います。こうした状況に備えるためにも,事務職員の定数の在り方について,学校事務の分野においても「T・T」の発想と同じく,事務職員の新たな加配制度について検討される必要があります。

 今年度より新たに「定数標準法施行令」が改正され,第5条第3項中「教育指導の改善」の下に「若しくは事務処理の効率化」の文言が加わり,事務職員の長期研修として加配の制度が新たに発足しました。このことは,私ども全事研の願いを叶えていただいたものと文部省に感謝申し上げる次第ですが,こうした新たな加配制度の拡充も私ども事務職員の大きな願いであります。

 「学校の事務・業務の効率化」「学校の事務・業務共同実施」を実現するに当たり,学校事務の「T・T」ともいうべき共同実施するブロックなり拠点校に事務職員を加配することや,高校の事務長に準じた総括者としての事務職員加配,「事務指導主事・事務指導員」としての加配措置などの工夫も,事務職員配置及び定数の在り方についての大きな改善策と考えています

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