6月21日(日) 則の脅迫


 今日は朝から気分が悪くて寝床からなかなか出ることが出来なかった。体温はほぼ平熱に下がっていたのだが、気持ちが悪くてダメだった。午前中はそんなことで、ずっと寝ていた。半分くらいは眠っていた状態。が、昼になると、則がどうしてもダメだというので無理矢理に外に引っぱり出されて昼食をとらされた。冷たいものなら何とかと思って冷や麦にしたが、おいしくなかった。その後、義弟の見舞いにというつもりもあったがあまりにも気持ちが悪いので中止にして帰宅。また布団の中ということになった。が、そんな気分の悪さの中でも則がいるだけで落ち着いて寝られる。

 夜も強引に引っぱり出された。側でニコニコしているだけで良いからと言う言葉につられて言ったのだが、やはりあまり食べることは出来なかった。ま、普段たくさん食べて十分に備えてあるから1日くらい食べなくても大丈夫だと思うのだが。

 熱もないし、痛いところもないし、気持ちが悪いなんて言うのは本人にしか分からないので、どうしようもない。もういいよほっといてよ、と叫びたくなるのを、これ以上則にわがままを言って困らせても思ってグッとこらえる。が、今日の食事に関しては、思いやりというよりも脅迫にしか思えない1日であった。

 「病める身の 為すすべも無き いらだちを じっと添い寝の 夫包み込む」


則裕の記録

 この休みの2日間は結局だらだらだった。病院の方がもっと最悪だったろうに、それでもきちんと食事は摂っていたのだから、気持ち悪いのは気持ち悪いので仕方ないという論理は、多いに気分の問題に思える。妹のだんなさんのように、雀の涙ほどの量でもなく食べるので、まぁ、脅迫といわれようと何と言われようと構わない。冷や麦も、途中で止めるかなぁと思ったが、全部食べたし、連れ出した夕食も、青柳ぬた+冷やしなす+トマト少々を食べたし、帰路何か食べる気になるものはないかと寄ったコンビニでフレンチトーストを買って食べたし、成績としてはまぁまぁ合格点だから。

 気持ち悪いのは本人にしか分からないことはその通りであるが、トータルでみて、抗癌剤に対して比較的成績が良いことを忘れないで欲しいのだ。現に吐くわけでもないのだから。これは、まだ控えている3クール目のためにも必要な措置だったのだと、やがて理解する日が来ればよいと思っている。しかしまた出てきた、あのわけも分からない短歌は何とかならないものか。順さんにしてみれば、私全体がいらだちに満ち溢れているように思っているようだが、そう理解しておいてくれても、食べてくれれば構わない。100歩譲って、たとえ食べなくても、生きる力(って文部省みたいだけれども)を持っていてくれさえすればよい。