5月21日(木) 今日は大安。いいことがあるといいな。

 夕べもA医師は来なかった。検査の結果、退院の予定など楽しみに待っていたのだが。則もシャワーを浴びたりしながら8時半過ぎまで待っていたのだが、あきらめて帰ってしまった。窓から手を振りながらずっと見送っているとやっぱり寂しい。何で私だけが、とは思わないが、何で私がとは思う。しかし、その割にはよく寝た。病院生活になれてきたせいか。

 ほぼ定刻にA医師現る。結果はでているが写真は土曜日にならないとダメとのことだが、その日、当人は学会に出張のため説明が出来ない。月曜日の朝にするから、まあ、そんなに急がないでゆっくりしていきなさいよ、と言われてしまった。土曜日には帰れると思っていたのに、落胆。せっかくの大安なのに関係なかったか。

 隣室のOさんは昨日2回目の抗ガン剤をしたのだが、今朝の食事殆どしていなかった。やはり結構くるらしい。10時丁度に吐き気止めの薬が到着。これがうまく作用してくれればいいのだけれど。自衛策として、則が調べてくれたように水を沢山飲んでいる。これまでにもう500mlは飲んでいる。今晩から吐き気止めの薬を服用することとなる。

 いつもより早く4時半にA医師が来る。風邪を引いてしまって近寄れないとドアのところからの声かけとなった。「お大事に。」と私の方から返したが、変な感じ。明日から学会に出るために顔を出せないとのことだ。寂しいな。もっとも明日はずっと布団の中ということになるのかな。白血球数を調べるための採血は朝の6時から7時頃にやるとのこと。注射のうまい人だといいのだけれど。

 夕食後シネマワールドまで散歩に出かけた。往復30分くらいだったれど外の空気が心地よかった。何とか気分転換をと気遣ってくれる則の心が嬉しい。

 看護休暇中のMさんから昨日今日と2日続けてお見舞いの絵手紙が来た。ご主人のリハビリにつきあってご自分でも始めたそうだ。気持ちがこもっていて嬉しいのだが、則にせかされても返事を書く気になれず、そのまま放置してある。どうもこの気力のなさ・・・仕方ないか。


則裕の記録

 仕事について言えば、今日はたいしたことなく過ぎた。

 いつものように職場を飛び出して、いつものように階段を駆け下り、いつものようにエスカレーターを駆け昇り、いつものように電車に滑り込み、いつものようにO駅を降り、いつものように弁当を買って、順さんが待つ病院へ。この生活も今週で終わるものと思っていたのだが・・・結果は順さんが書いているとおりとなった。

 正直言って、順さんには申し訳ないが、疲れもピークに達しているなぁと思う。この生活に慣れればいいのだが、まだその状態には至っていないためだ。だが、明日は抗ガン剤投与2回目。彼女にはさらなる試練が待ている。泣き言は言えない。彼女より2日前に手術をしたOさんは、たぶん昨日2回目を行ったのだろう、今日即ち次の日の夕食に至っても、全く箸をつけていない。

 明日は順さんもああなるのだろうか?今日彼女の体温が少し高めだったのが気にかかる。白血球のテストの結果が良好で、手術の日の投与と同じくらいに軽い副作用しかないことを強く祈りたい。

 帰宅時間9時40分頃。